医龍で一番心に残った言葉。

終わってしまいました。フジテレビのドラマ「医龍」。以前このドラマの挿入歌で一番素晴しいわ!と思う、挿入歌「Aethetic」について書きましたので、今回は一番心に残った言葉(台詞)を。 そして全編を見終わった後の、このドラマに対する印象と思いを書いておきたいと思います。


心に残る台詞、カッコよすぎじゃない?というほどの決め台詞など、たくさんありましたが、私は一番グッときた台詞という点から、朝田先生の、この台詞を選びたいと思います。


♪栄えある一位♪

助かるかもしれない命を

助けようともしないことは
それだけで罪だ!



う、う、う~~っ(T_T) 
過酷な難民キャンプでの医療チームリーダーとして活動した豊富な経験から得た、自分の持てる力・創造力・情熱を総動員して、絶対に最後まで諦めずに、患者を何とか救おうとする朝田先生。 その先生の口からほとばしった言葉だからこそ、グァ~ンと胸を打たれるのです。 泣けましたから。

最終回の中でもフラッシュバックで、この台詞を言う場面、出てきましたよねっ。 番組スタッフの方々も、この言葉の持つ深い意味を、このドラマの中で一番伝えたかったのかも!なんて勝手に考えました(^^ゞ


全てではないのは百も承知ですが、最近の医師で目立っている、或いは医師と聞いて真っ先に思い浮かぶ医師像は、朝田先生と全く正反対の医師です。

ドラマの登場人物で言うなら、野口教授・霧島先生、ドラマスタート時の加藤先生のような面々。 自分の出世、名誉、時には金銭欲のため、患者を実験台のように考え、使い、患者や家族の気持ちなど、ほとんど無視。 まるで論文発表のネタにするために患者は存在するというように考え、自分や医局、病院のためになる患者探しに腐心。 医師同士では、駆け引きや策略を練り、あらゆる手段を実行するというような面々。医師というより、政治家か何かですか?というかんじに思えてしまうような面々。

確か朝田先生の台詞にも似たようなものがあったように思いますが、患者を救う・患者にとって一番良い、負担の少ない処置をするという医師としての大前提が一番最後で、もしかしたら、そんな考えの微塵も無いかもしれない面々。

自分の出世・名誉・見栄など考えず、権力闘争も、医局の慣習もなんのその、朝田先生ほど見事にその大前提のみを重視し、徹底して行動している先生は、あまりいないですよね。 いずれかの欲に強く囚われているなと思う方は、多いと感じますが。 

ドラマの世界!ってことは、わかってるつもりなんですが…つい、現実に朝田先生がどこかに、いらっしゃるような妄想を描いてしまいます。 ぜひ、お目にかかりたいです。 そして安心して、主治医になってもらいたいです。


一体、朝田先生と野口教授を筆頭とする部類の医師との違いは何なのでしょうか。単なる情熱や性格、もとからの本人の資質の違いだけではないような気がします。

以前も書きましたが、医大を出て、医師免許を取得、インターン、その後独立して開業でもしない限り、ずっと医局の指示と監視の下に医療行為を続けるという限られた狭い日本の医療社会の中だけで生きている医師と、朝田先生の医師人生(ライフスタイル)の違いに凝縮されているように思います。 ふと思い浮かんだ、ことわざ…


井の中の蛙、大海を知らず



医療設備も人員も整わない、自分にさえ死の危険があるという、過酷な状況で、医師としての技量を鍛えあげ、医局・病院・医師会という一連の狭い縛りの世界にいるだけでは得られない、社会現場の?生の医療現場を経験し、成長してきた。
同時に技術だけでなく、命の尊さ・人間として根本的な問いかもしれない「生きるとは何か、どういうことか」、医師としての根本的な問いかもしれない「死の危機に面している人を前に、医師として、どうあるべきか・何ができるのか」ということを常に自身に問い続け病院の中だけでない、社会・世間という現実の壮絶な死と生に向き合ってきた人だけが育むことができた人間性を備えた医師。

それが朝田先生だ!
 
だから、冒頭の、あの言葉を自然に発することができ、見ている方にも強く訴えかけられるのだ!と感じました。

そう、「本物の医者!」 という台詞そのもの。


いくら「海外の医療施設にも、よく出かけてますよ」という医師がいたとしても、大抵は観光がてらという感の強い、全てお膳立てが整った、一流ホテルや会場での国内外の学会参加、それに付随した施設訪問というだけでは、現実の大海を知るということにはならず、この朝田先生のようにはなれないと思います。

何年か、朝田先生のように「国境無き医師団」や、「難民キャンプ」などで実地研修する制度を作れば、日本の医師も医療制度も変わり、格段に良くなるかもしれませんね。

日本の狭い医療組織の世界の中だけで画策し、翻弄したり、されたりしながら、本来の医師としての在り方を、いつの間にか忘れ去った医師として、その一生を終えることの、虚しさ(※)に思い至ることができるかもしれません

(※)人間として、または、本来は人の命を救うとことに全力を尽くせるという素晴しい職業の医師として


医師になる人は、知識や頭脳は十分な方々ですから、あとは「人間性の覚醒」が必要かと。
以前書いた医師免許更新制度に結局、つながってくることなのかもしれませんが。

朝田先生のように、現実を知り、ひろーい視野を持つ医師に育てるためには半ば、強制的にでも、上記のような環境を作ってあげないと逆にいけないのかもしれません。 朝田先生のように自ら、そういう経験を積もうとする人は、医師志望者だけでなく、一般的にも少ないですから。
(勿論、私自身も見事にそれに含まれます^_^;)


このドラマは、現在の典型的と思われる医療従事者と、本来あるべき姿の医療従事者、その間で揺らぐ医療従事者という、大きく分けて3つの勢力とでもいうべき構図が見事に表現されているドラマだったと思います。 全編、本当に感じること多く、楽しめました。

「すぐに会えるさ」なんてチームドラゴンのメンバー、言ってたし…続編、できるのかなっ。 ちょっと期待。 最終回なのに、「Aethetic」が流れる時間、少なかったような気がして、そこは少し不満でした。

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